キューバヒメエメラルドハチドリ

山野の鳥

■基本情報

  • 和名: キューバヒメエメラルドハチドリ(キューバ姫翡翠蜂鳥)
  • 英名: Cuban Emerald
  • 学名: Riccordia ricordii(旧属名:Chlorostilbon ricordii
  • 分類: アマツバメ目 ハチドリ科 キューバヒメエメラルドハチドリ属

■形態的特徴

  • 色や大きさ: 全長約9.5〜10.5cm、体重はわずか2.5〜5gほどしかない極小の鳥です。オスは全身が金属光沢のある、目の覚めるような鮮やかなエメラルドグリーンに包まれています。太陽の光を浴びる角度によって、宝石のようにキラキラと輝きが変わる構造色を持っています。一方、メスは背中側こそ緑色ですが、胸からお腹側にかけてはくすんだ白〜灰色をしています。
  • 鳴き声: 「チッ、チッ」という短い金属的な鳴き声や、ホバリング中に「ズンズン(スンスン)」という非常に高速な羽羽ばたき音(羽音)を立てます。
  • その他の特徴: くちばしは細長く、わずかに下側にカーブしており、花の奥にある蜜を吸うのに適しています。また、尾羽が長く、ツバメのように深く二股に分かれている(燕尾状)のが大きな特徴で、空中停止(ホバリング)や急旋回する際の優れた舵の役割を果たしています。目のすぐ後ろに小さな白い斑点があります。

■分布地域(日本・海外)

  • 日本: 生息していません。ハチドリ科の鳥はすべて南北アメリカ大陸とその周辺の島々にしか分布しないため、日本国内での野生個体の観察記録はありません。
  • 海外: カリブ海諸国の固有種であり、主にキューバ本島、周辺の島々(フベントゥド島など)、およびバハマ諸島に分布しています。キューバ現地では「スンスン(Zunzún)」という愛称で広く親しまれています。
  • 注:2017年10月にキューバで撮影したものです。

■生態・行動

非常に活動的で気が強く、縄張り意識が強い鳥です。都市の公園、民家の庭園、低木林、森林の縁など、花が咲く開けた環境ならどこにでも生息します。驚異的なハイペースで翅(はね)を動かすことで、空中で完全に静止する「ホバリング」や、後ろ向きに飛ぶといった自由自在な飛行が可能です。主食はさまざまな花の蜜で、ホバリングしながら長い舌を伸ばして蜜を吸い上げます。また、貴重なタンパク源として空中を飛ぶ小さな昆虫やクモも捕食します。

■その他の特筆すべき特徴

キューバには世界最小の鳥である「マメハチドリ(Bee Hummingbird)」も生息していますが、こちらのキューバヒメエメラルドハチドリの方が個体数が圧倒的に多く、日常的に出会うことができます。現地の人々にとっては非常に身近な存在であり、キューバを代表する人気アニメーションキャラクターのモチーフになるなど、文字通り国のアイドルとして愛されています。非常に代謝が高いため、夜間はエネルギー消費を抑えるために一種の冬眠状態(休眠状態:Torpor)に入って体温を劇的に下げるという、過酷なエネルギー管理を行う生態も持っています。

2018年10月 キューバにて撮影。
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