イエスズメ

迷鳥

■基本情報

  • 和名: イエスズメ(家雀)
  • 英名: House Sparrow
  • 学名: Passer domesticus
  • 分類: スズメ目 スズメ科 スズメ属

■形態的特徴

  • 色や大きさ: 全長約14〜18cm、体重約24〜40gで、日本の一般的なスズメ(全長約14.5cm)と比べると一回りから二回りほど大柄で、がっしりとした体型をしています。
  • 鳴き声: 日本のスズメによく似た「チュン、チュン」という囀(さえずり)ですが、声のトーンがやや低く、少し濁った「チャッ、チャッ」あるいは「チラップ」といった力強い声で賑やかに鳴き交わします。
  • その他の特徴: オスとメスで羽色が大きく異なる(性的二型)のが大きな特徴です。成鳥のオスは頭頂部が美しい灰色(ネズミ色)で、目の後ろから後頭部にかけて濃い栗色をしており、喉から胸にかけてネクタイのような黒い斑(よだれかけ)があります。一方、メスや幼鳥は全体的に淡い灰褐色(ベージュ〜麦わら色)で、目の後ろに薄いクリーム色の眉斑がある、非常に優しくすっきりとした顔立ちをしています。オス・メスともに、日本のスズメにあるような「頬の黒い丸斑」はありません

■分布地域(日本・海外)

  • 日本: 原則として生息していません。過去に数例、海外からの貨物船などに紛れ込んで渡来したとみられる記録(迷鳥)があるのみです。
  • 海外: ヨーロッパ、北アフリカ、中央アジアから中東にかけて広く原産します。さらに人間によって北アメリカ、南アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなど世界中へ移入され、現在では世界で最も広く分布する野鳥の一つとなっています。
  • 注:スイスで撮影したものです。

■生態・行動

名前の「イエ(家 / House)」が示す通り、人間の生活圏に完全に依存して暮らす鳥です。大自然の深い森や砂漠を避け、都市部の住宅街、商業地、農耕地、公園などに好んで生息します。食性は非常に順応性が高い雑食性で、植物の種子や昆虫のほか、カフェのテラス席での食べこぼしやパン屑、生ゴミなども積極的に食べます。非常に社会的で、年間を通じて数十羽から数百羽の賑やかな群れを作って行動します。

■その他の特筆すべき特徴

オスが持つ胸の「黒いネクタイ(黒斑)」の大きさは、群れの中での社会的地位(強さや優位性)の象徴となっています。この黒い面積が広く濃いオスほど、縄張り争いに強く、メスからもモテる傾向があります。人間の作った建造物の隙間や瓦の下、雨どいなどに好んで巣を作るため、西洋の歴史や文学、絵画などにも人間の最も身近な隣人として古くから数多く登場する、非常に文化的な関わりの深い鳥です。

2018年6月 スイスにて撮影。こちらは雄の成鳥。
こちらは雌の成鳥。スズメと違って、♂♀が異なる。
イエスズメの幼鳥。

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