ホトトギス

ホトトギスの写真 山野の鳥

■基本情報

・和名:ホトトギス(時鳥、杜鵑、不如帰)
・英名:Lesser Cuckoo
・学名:Cuculus poliocephalus
・分類(科目):カッコウ目カッコウ科

■形態的特徴

・色や大きさ:全長は約28cm、体重は約75gで、ヒヨドリほどの大きさです。外見はカッコウに非常に似ていますが、一回り小型です。頭部から背面はシャープな灰色をしており、お腹などの下面は白地に黒褐色の横縞模様が入ります。カッコウに比べてこの腹部の横縞が太く、本数が少ない(粗い)のが特徴です。
・鳴き声:オスは「キョッキョッキョキョキョキョ」と、非常に激しく大きな声を響かせます。この特徴的なさえずりは、古くから「特許許可局(トッキョキョカキョク)」や「テッペンカケタカ」という言葉に聞きなされることで有名です。
・その他の特徴:目の周りに鮮やかな黄色のアイリング(眼環)があります。尾羽は黒褐色で比較的長く、先端に向かってやや細くなるウェッジ型(楔形)をしています。他の渡り鳥に比べて、5月頃とやや遅い時期に日本へ飛来する特徴があります。

■分布地域(日本・海外)

・日本:夏鳥として、春から初夏(5月頃)にかけて九州から本州、四国へ広く飛来して繁殖します。北海道では南部(道南)を中心に少数が生息・繁殖しています。秋(9月〜10月頃)になると南へ渡っていきます。
・海外:アフガニスタン、ヒマラヤ、チベット、中国、朝鮮半島、ロシア極東部などで広く繁殖します。冬期は南下し、インド、東南アジア、アフリカ東部やマダガスカル島などの熱帯地域へ渡って越冬します。

■生態・行動

平地から山地の明るい広葉樹林、林縁、藪のある草原などに生息します。基本的には樹上性で、単独で行動することが多いです。食性は肉食性(昆虫食)で、樹上を移動しながら主にガやチョウの幼虫(毛虫・イモムシ)や甲虫などを好んで捕食します。特に、他の多くの鳥たちが毒棘や硬い毛を嫌って食べない「毛虫」を、大きな口で器用に貪欲に好んで食べる特異な生態を持っています。非常に強い夜行性の傾向を併せ持っており、渡りの時期や繁殖初期には、日中だけでなく静まり返った夜間や明け方、夕暮れ時にも上空を飛びながら激しくさえずり回る習性があります。

■その他の特筆すべき特徴

自分で一から巣を作って子育てをする能力が一切なく、他の鳥の巣に自分の卵を産み落として育てさせる「托卵(たくらん)」という極めて冷徹かつ合理的な繁殖生態を行っています。日本では主に「ウグイス」を一番のターゲット(仮親)として利用します。ホトトギスのメスは、ウグイスの卵に色彩をそっくりに似せた濃いチョコレート色(暗褐色)の卵をウグイスの留守中に素早く産み落とします。孵化したホトトギスの雛は、本能的に仮親の本来の卵や雛を背中で巣の外へすべて押し落としてしまい、ウグイスの親から運ばれる餌を独占して急速に成長します。また、古来より日本の和歌や文学(万葉集、織田信長や豊臣秀吉らの俳句など)において、夏の到来を告げる「忍音(しのびね)・初音」として最も多く詠まれ、文化的に愛されてきた歴史深い野鳥です。

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