■基本情報
- 和名: セイタカシギ(背高鴫)
- 英名: Black-winged Stilt
- 学名: Larus delawarensis(※世界的な広域分布種であり、亜種ごとに分類されることもあります)
- 分類: チドリ目 セイタカシギ科 セイタカシギ属
■形態的特徴
- 色や大きさ: 全長約35〜40cm、翼開長(翼を広げた長さ)約67〜85cmです。体の大半を占める非常に細くて長い、鮮やかなピンク色(〜赤色)の脚が最大の特徴です。成鳥は頭部から胸、お腹にかけてが純白で、背中から翼の上面はシャープな光沢のある黒色(または暗褐色)をしており、極めて美しいモノトーンのコントラストを持っています。
- 鳴き声: 「キッキッキッ」「ケッケッケッ」といった、高くて鋭い金属的な声で連続して鳴きます。繁殖期や警戒時には特に騒がしく鳴き立てます。
- その他の特徴: 黒くて細長く、真っ直ぐに伸びたくちばしを持っています。このくちばしと非常に長い脚のバランスから、野鳥ファンの間では「水辺の貴婦人」や「モデルのような鳥」と称されるほど、スマートで優美なシルエットをしています。
■分布地域(日本・海外)
- 日本: かつては数少ない「旅鳥」または「冬鳥」でしたが、1970年代以降に愛知県や千葉県などの埋立地や干潟で繁殖が確認されてからは、関東以西の地域で一年中見られる「留鳥」として定着する地域が増えています。ただし、開発による生息地の減少から、多くの都道府県で絶滅危惧種に指定されています。
- 海外: ヨーロッパ南部、アフリカ、南アジア、東南アジア、中国、オーストラリアなど、世界中の熱帯から温帯の湿地帯にきわめて広く分布しています。
■生態・行動
干潟、湖沼、水田、塩田、浅い池、河口などに生息します。英名の「Stilt(竹馬)」が示す通り、他のシギやチドリ類では深くて立ち入れないような水深の場所でも、その長い脚を活かして平然と歩き回ることができます。水面や泥の上をゆっくりと歩きながら、細長いくちばしを水中に差し込んだり、水面をなぞるように動かしたりして、水生昆虫、小さなエビやカニ(甲殻類)、小魚、ゴカイなどを捕食します。
■その他の特筆すべき特徴
非常に警戒心が強く、危険を感じるといち早く鋭い声で鳴き、周囲の鳥たちに危険を知らせる警報役のような一面もあります。巣は水辺の砂地や泥の上に草を敷いて作りますが、水が湧き上がって巣が浸水しそうになると、親鳥が協力して周囲の泥や草を急いで積み上げ、巣の高さを上げるという非常に知的な防衛行動をとることが知られています。また、休息時や睡眠時には、長い脚を器用に折りたたんで「一本足」で佇むユーモラスな姿がよく観察されます。





