■基本情報
- 和名:エジプトガン(エジプト雁)
- 英名:Egyptian Goose
- 学名:Alopochen aegyptiaca
- 分類:カモ目カモ科エジプトガン属
■形態的特徴
- 色や大きさ:全長約63cm〜73cm。日本でよく見られるマガモやカルガモよりも一回り大きく、大型で堂々とした体型をしています。全体的にアイボリーや黄灰色を帯びた淡い茶色の体をベースに、背中や翼には濃い赤褐色や黒色、そして飛行時に目立つ大きな白色の斑紋があります。
- 鳴き声:オスとメスで声質が大きく異なります。オスは「シュー、シュー」と息を吹き出すようなハスキーな声で鳴き、メスは「ガァ、ガァ、ガァ!」と非常に激しく甲高い大声で騒がしく鳴き立てます。
- その他の特徴:最大の特徴は顔の模様です。目の周囲にチョコレート色の大きなパッチ模様(アイリング)があり、古代エジプトの壁画に描かれるメイクのような独特の風貌をしています。また、クチバシと長い足が綺麗なピンク色をしているのも目立つ特徴です。
■分布地域(日本)
- 本来の原産地はサハラ砂漠以南のアフリカ大陸やナイル川流域です。日本では外来種(カゴ抜け個体)として、関東地方(千葉県の手賀沼や利根川流域など)や近畿地方などのごく一部の水辺で、野生化した個体が局所的に目撃されています。
- 注:2026年6月 フランスにて撮影。
■生態・行動
- 非常に強い縄張り意識:名前に「ガン」とついていますが、分類や生態的にはツクシガモの仲間に近いです。非常に気が荒く闘争心が強い性格で、繁殖期には自分よりも体の大きな鳥や犬などの動物に対しても、羽を広げて果敢に突進し、テリトリーから激しく追い払おうとします。
- 陸上生活への高い依存度:水面を泳ぐことも上手ですが、主に陸上の草地や公園の芝生、畑などを好んで歩き回ります。食性は植物食が中心で、クチバシで地面の草の葉や茎、種子などを器用に千切って食べるほか、小さな昆虫なども捕食します。
- 高い場所への営巣:カモ類の多くは地上に巣を作りますが、エジプトガンは樹木の大きな穴や、他の大型鳥類の古い巣、時には建物の屋上や崖の隙間など、見晴らしの良い高い場所に巣を作る特異な習性を持っています。
■その他の特筆すべき特徴
- 古代エジプトから続く歴史:名前の通り古代エジプト文明の時代から聖なる鳥として人間と深く関わってきた鳥で、当時の壁画や粘土細工、美術品にも数多くその姿が描かれています。また、一度ペア(つがい)になると一生その絆が解消されないと言われるほどパートナーへの執着が強く、常に2羽で行動する深い絆を持っています。ヨーロッパやアメリカなどでも公園の池から野生化して定着しており、その驚異的な繁殖力が世界中で注目されています。


