1. 基本情報
- 漢字名:島梟
- 英語名: Blakiston’s Fish Owl
- 科名: フクロウ科(ワシミミズク属)
- 学名: Bubo blakistoni
2. 特徴
- サイズ: 日本最大のフクロウで、翼を広げると180cm近くに達します。
- 外見: 全身は灰褐色で、黒い縦斑があります。頭部には立派な耳状の羽(羽角)があるのが特徴です。
- 狩りのスタイル: 名前の「Fish Owl」の通り、主に魚(ウグイやサケ、マスなど)を捕食します。水面を低く飛び、鋭い爪で獲物を捕らえます。
- 鳴き声: オスが「ヴォッヴォッ」、メスが「ホー」と応え、つがいで「ヴォッヴォッ、ホー」と交互に鳴き交わす独特のスタイルを持っています。
3. 日本での分布
- 分布域: 日本では北海道のみに生息しています(極めて局地的です)。
- 生息環境: 豊かな大木がある針葉樹・広葉樹の混交林で、近くに凍らない河川がある場所を好みます。
- 現状: 絶滅危惧IA類(環境省レッドリスト)に指定されている、非常に希少な鳥です。現在は保護活動が進められており、知床や阿寒、大雪山系などにわずかに生息しています。
ちょっと一言👌
シマフクロウとミミズクの違い 頭に「羽角(うかく)」という耳のような羽があるのがミミズクの仲間とされますが、シマフクロウは名前に「フクロウ」と付きながら立派な羽角を持っています。これは、分類上ワシミミズクの近縁であるためです。
4. 樹洞(じゅどう):命を育む天然のゆりかご
シマフクロウは自分自身で枝を集めて巣を作ることはせず、大木の幹に自然にできた大きな穴(樹洞)をそのまま巣として利用します。
- 必要な条件: 体が非常に大きいため、直径1メートルを超えるような巨木(ミズナラ、カツラ、ハルニレなどの古木)の樹洞でなければなりません。
- 樹齢の重み: そのような巨大な樹洞ができるまでには、樹齢200年〜300年以上の年月が必要とされています。
- 機能: 樹洞の中は温度変化が少なく、外敵からも身を隠せるため、冬の寒さの中でヒナを育てるのに最適な環境です。
5. 減少の理由:なぜ「神」は危機に瀕したのか
かつては北海道全域に生息していましたが、以下の理由で個体数が激減しました。
- 営巣木の消失: 大規模な森林伐採や開発により、巣となる巨木が失われました。
- エサの減少: 河川改修やダム建設により、主食である魚(サケ・マス・ウグイなど)が遡上できなくなったり、生息場所を追われたりしました。
- 事故: 交通事故や、電柱での感電事故なども大きな脅威となっています。
6. 保護の現状:手厚いサポートによる回復
1980年代には約140羽(約40つがい)まで減少しましたが、懸命な保護活動により、現在は約200羽(約100つがい)程度まで回復してきています。
- 人工巣箱の設置: 天然の巨木が育つのを待つ間、木製や強化プラスチック製の大きな人工巣箱を設置しています。現在、繁殖しているペアの約8割がこの巣箱を利用しています。
- 給餌(きゅうじ)事業: 魚が少なくなった冬場の河川に生け簀(いけす)を設置し、エサを補給する活動が行われています。
- 魚道の整備: 魚が川を遡上できるようにダムに魚道を設置するなど、川の環境再生も進められています。





2025年8月 北海道羅臼にて撮影。


