■基本情報
- 和名:ヨタカ(夜鷹)
- 英名:Grey nightjar
- 学名:Caprimulgus jotaka
- 分類(科目):ヨタカ目ヨタカ科
■形態的特徴
- 色や大きさ:全長は約29cmで、ハトと同じくらいの大きさです。全身が灰褐色、黒褐色、白の複雑な斑紋で覆われており、樹皮や枯葉に驚くほどそっくりな「虫食い状の枯葉模様(保護色)」をしています。
- 鳴き声:夜間に「キョキョキョキョキョキョ……」と、木を叩くような、あるいは機械的なキレのある大きな声で、一定のテンポで長く鳴き続けます。
- その他の特徴:横から見ると頭が低く平らで、くちばし自体はピンセットの先のように非常に小さいです。しかし、口自体は目の下まで裂けるように横に大きく開き、口の周りには飛びながら虫を捕らえるための網の役割を果たす、硬い「口ひげ(剛毛)」が生えています。
■分布地域(日本)
- 分布:九州以北に「夏鳥」として春(4〜5月頃)に東南アジアなどから渡来し、子育てをして秋(10月頃)に再び南へ渡っていきます。
- 環境:平地から山地の明るい林、林縁、疎林、夜間の河川敷や開けた草原などに生息します。
■生態・行動
- 食性:完全な肉食(昆虫食)です。夕暮れから夜間にかけて活発に活動を開始し、非常に大きな口を開けたままヒラヒラと巧みに飛び回り、空中にいるガ(蛾)やコガネムシなどの大型の甲殻昆虫をフライングキャッチして丸呑みにします。
- 生活様式:日中はほとんど動かず、樹上の太い枝に対して「並行に伏せるように(へばりつくように)」とまって眠ります。通常の小鳥のように枝を横向きに掴まないため、遠目には木のコブや折れた枝の一部にしか見えず、完璧に擬態して身を隠します。
■その他の特筆すべき特徴
- 文学との関わり:宮沢賢治の有名な童話『よだかの星』の主人公(モデル)として知られています。作中では「味噌をつけたようなシミだらけの姿」や「平らなくちばし」と容姿を酷評されますが、星のように夜空を美しく、そして懸命に舞う生態が文学的に描かれています。また、現代では生息環境となる里山の減少に伴い、各地で個体数が減少傾向にあります。


