- 英語名: Great Spotted Woodpecker
- 漢字名: 大赤啄木鳥
- 類科目: キツツキ目 キツツキ科 アカゲラ属
特徴:
- 全長約23~24cm。日本のキツツキ類の中では中型の種の留鳥。
- オスは頭頂部が鮮やかな赤色をしています。メスは頭頂部が黒色です。
- 背中は光沢のある黒色で、肩には大きな白い斑があります。
- 翼にも白黒の横縞模様があります。
- 腹部は淡い黄褐色から白色で、下尾筒(尾の付け根の下の部分)は赤色をしています。この赤い部分が名前の由来となっています。
- 太くて丈夫な嘴を持ち、樹皮を剥がしたり、穴を開けたりするのに適しています。
- 足の指は前後に2本ずつ向いた対趾足で、木の幹にしっかりと掴まることができます。
- 地鳴きは「キョッ、キョッ」「ケッ、ケッ」といった鋭い声です。
- 警戒時には「ギーッ」という濁った声を出します。
- 求愛や縄張り主張のドラミングは、乾いた高い音で、「コロコロコロ…」と連続して木を叩きます。ドラミングのパターンは個体によって微妙に異なります。
食性:
- 昆虫食が中心で、カミキリムシやキクイムシなどの樹木に穿孔する昆虫の幼虫やサナギを好んで食べます。
- アリやクモなども捕食します。
- 冬には、エゴノキなどの木の実や種子も食べることがあります。また、他の鳥が隠した木の実を横取りすることもあります。
- 時に、他の鳥のヒナや卵を捕食することもあります。
繁殖:
- 繁殖期は春から初夏(4月~7月頃)です。
- オスとメスが協力して、枯れ木や生きた木の幹に巣穴を掘ります。巣穴は円形または楕円形で、深さは30cm以上になることもあります。
- 1回に3~6個の白い卵を産みます。
- 抱卵期間は約2週間で、主にメスが抱卵しますが、オスも交代で行います。
- ヒナは約3週間で巣立ちます。巣立ち後も、しばらくは親鳥から給餌を受けます。
行動:
- 樹上生活が中心で、垂直な幹を器用に上下に移動します。
- ドラミングは、繁殖期だけでなく、一年を通して行われます。
- 冬季には、カラ類などの他の小鳥と混群を形成することがあります。
- 水浴びを好む個体もいます。
日本での分布
北海道から九州まで、ほぼ日本全国の森林に広く分布しています。
具体的には、以下の地域で見ることができます。
- 北海道: 全域の森林
- 本州: 平地から山地の森林まで広く分布
- 四国: 山地を中心とした森林
- 九州: 山地を中心とした森林
標高の高い山地から、平地の森林、時には都市近郊の比較的大きな公園や緑地でも見られることがあります。ただし、一般的には森林に多く生息しており、特に落葉広葉樹林や針葉樹林を好みます。