漢字名:赤足長元坊
英語名:Amur Falcon
科目:
- 目: ハヤブサ目 (Falconiformes)
- 科: ハヤブサ科 (Falconidae)
- 属: ハヤブサ属 (Falco)
- 他のハヤブサ科の鳥と同様に、鋭い爪と曲がった嘴を持ち、優れた視力と飛翔能力を持つ猛禽類です。
生態:
- 小型のハヤブサ類で、主に昆虫(特にバッタやトンボ)を食べます。
- 繁殖期はシベリアや中国北東部で過ごし、冬はアフリカ南部へ渡ります。その渡りの距離は非常に長く、世界で最も長距離を移動する猛禽類の一つとして知られています。
- 集団でねぐらをとる習性があり、渡りの途中や越冬地では数万羽にも及ぶ大群が見られることがあります。
- 他の鳥の古巣や、木の洞などを利用して営巣します。
日本での分布:
- 旅鳥として、春と秋の渡りの時期に日本各地を通過します。
- 特に春の渡り(5月頃)と秋の渡り(9月下旬〜10月頃)に、全国的に記録が見られます。
- 観察されるのは主に海岸線や離島、農耕地や草地など、餌となる昆虫が多い開けた場所です。
- 日本で繁殖したり越冬したりすることは稀です。
形態の特徴:
- 大きさ: 全長は約28〜31cm(キジバトとほぼ同じくらい)、翼を広げると約63〜71cmです。他のチョウゲンボウと比べると一回り小さい傾向にあります。
- 性的二形: 雌雄で羽色が異なります。
- 雄:
- 全体的に暗い灰黒色(すすけたような灰色)で、青みがかった色合いをしています。
- 下腹部から下尾筒(尾羽の下の羽)と脛(すね)の部分が赤褐色です。
- 飛翔時には、翼の下面の白い部分(下雨覆)が、暗い風切羽とコントラストをなして目立ちます。
- 蝋膜(嘴の付け根の裸出した部分)、眼瞼輪(目の周りの縁)、脚は鮮やかな赤橙色です。爪は白っぽいことが多いです。
- 雌:
- 頭頂から体上面は暗青灰色で、背中や肩羽には黒褐色の細い横斑があります。
- 眼先から過眼線(目を通る線)、頬ひげ斑は黒いですが、頬や喉から体下面は白く、胸には黒褐色の縦斑、脇から腹には横斑があります。
- 雄と同様に、蝋膜、眼瞼輪、脚は赤橙色です。
- 全体的に雄よりも淡い色合いで、縞模様が目立ちます。
- 雄:
- 幼鳥: 雌に似ていますが、体上面が淡い黒褐色で淡い褐色の羽縁があり、下面の斑も褐色がかっています。下腹から下尾筒、脛は淡い橙色です。