トラフズク

トラフズクの写真 山野の鳥

■基本情報

・和名:トラフズク(虎斑木菟)
・英名:Long-eared Owl
・学名:Asio otus
・分類(科目):フクロウ目フクロウ科

■形態的特徴

・色や大きさ:全長は約35cm〜40cm、翼開長は約90cm〜100cmで、ハトよりも一回り大きく、フクロウ類の中では中型のサイズです。全身は黄褐色から黒褐色の複雑な斑紋(縞模様)で覆われており、この模様が「虎の斑(トラフ)」に見えることが和名の由来です。
・鳴き声:夜間にオスは「ウー、ウー」あるいは「オー、オー」と、低く太い声を一定の間隔で繰り返し響かせます。そのほか、猫のような叫び声や犬が吠えるような声を出すなど、非常に幅広いバリエーションの声を出します。
・その他の特徴:頭部に「羽角(うかく)」と呼ばれる、ウサギの耳のように細長く発達した一対の飾り羽があるのが最大の特徴です。虹彩(目)は鮮やかな橙赤色(ユーラシア大陸の個体群)から黄色(北米大陸の個体群)をしており、暗闇で鋭く光ります。

■分布地域(日本・海外)

・日本:北海道や本州北部では主に「夏鳥」として飛来し繁殖します。本州中部以南から四国、九州、沖縄にかけては、秋から春にかけて飛来する「冬鳥」または「旅鳥」として観察されます。
・海外:北半球に極めて広く分布しており、ユーラシア大陸の中部から温帯、北アメリカ大陸、北アフリカ(モロッコやエジプトなど)にまで広く生息しています。

■生態・行動

平地から低山の針葉樹林、疎林、河畔林(川沿いの林)などに生息し、周囲に狩り場となる広大な農耕地や草原、河川敷が隣接した環境を好みます。極めて強い夜行性であり、日中は鬱蒼と茂った常緑樹の枝葉の陰で細身の体を木の枝に似せて直立させ、じっと身を潜めて休息しています。夜になると活動を開始し、優れた聴覚と視覚を駆使して低空を静かに飛び回りながら、主食であるネズミ類やモグラ類を捕食するほか、小型の鳥類や大型の昆虫も捕らえます。冬期には、公園や神社の境内、河川敷などの狭い林の中に、数羽から数十羽が集まって「集団ねぐら」を形成する珍しい社会性を持っています。

■その他の特筆すべき特徴

自分で一から巣を作る能力を持っておらず、繁殖の際はカラス類やタカ類(トビなど)が樹上に作った古い巣をそのままちゃっかりと借りて(乗っ取って)営巣するユニークな他力本願の生態を持っています。日中は非常に用心深く、危険を感じて警戒すると、羽角をピンと直立させて体全体を極限まで細く引き伸ばし、木の切り株や折れた枝になりすます見事な「擬態」を見せます。その隠蔽能力の高さから、集団ねぐらであっても人間の肉眼で発見するのは非常に困難な野鳥です。

タイトルとURLをコピーしました