クロウタドリ

迷鳥

■基本情報

  • 和名: クロウタドリ(黒歌鳥)
  • 英名: Eurasian Blackbird(または単にBlackbirdとも呼ばれます)
  • 学名: Turdus merula
  • 分類: スズメ目 ツグミ科 ツグミ属

■形態的特徴

  • 色や大きさ: 全長約23.5〜29cm、翼開長約34〜38cmと、日本のツグミやヒヨドリとほぼ同等か、やや大柄なツグミ類です。オスとメスで見た目が大きく異なり、成鳥のオスは全身が煤をまとったような艶消しの真っ黒な羽毛に包まれています。一方、メスや若い個体は真っ黒ではなく、全体的にくすんだ暗褐色(ダークブラウン)をしており、胸元に淡い斑紋が入ることがあります。
  • 鳴き声: 名前に「歌」とある通り、小鳥類の中でも特に美しいさえずりを持つことで有名です。春から夏にかけての繁殖期には、樹の頂上や建物の屋根の上など目立つ場所に陣取り、フルートのようだと称されるメロウで非常に澄んだ声で、即興的なメロディを豊かに歌い上げます。警戒時には「キキキキキッ!」「タック、タック」と激しく鋭い声を上げます。
  • その他の特徴: 成熟したオスは、黒い体の中で鮮やかな黄色のくちばしと、目の周りの黄色いアイリング(眼瞼輪)が非常に美しく際立ちます。メスやくちばしが完全に色づいていない若いオスでは、くちばしの色は黒ずんだ茶褐色をしています。脚は頑丈で、黒褐色から暗色をしています。

■分布地域(日本・海外)

  • 日本: 数少ない「冬鳥」または「旅鳥」として、主に西日本(九州や南西諸島など)に稀に渡来する珍しい鳥です。
  • 海外: ヨーロッパ全域、北アフリカ、アジア(中東から中国、インドなど)に広く原産・分布しています。また、人間によってオーストラリアやニュージーランドにも移入され、現地で広く定着しています。ヨーロッパでは、都市の公園から住宅街の庭先まで、どこにでもいる最もポピュラーな鳥の代表格です。
  • 注:2018年11月に中国・上海にて撮影したものです。

■生態・行動

森林の縁、農耕地、都市の公園、民家の庭園、生け垣など、開けた地面と身を隠せる茂みがある環境を好みます。食性は雑食性で、主に地上をピョンピョンと跳ねたり走ったりしながら、ミミズや昆虫、クモなどを探して食べます。特に落ち葉をくちばしで激しくひっくり返して虫を探す行動がよく見られます。秋から冬にかけては、樹木に実るベリーなどの果実や種子を好んで主食とします。

■その他の特筆すべき特徴

ヨーロッパの文化や文学に深く根付いている鳥です。イギリスの伝説的なロックバンド、ザ・ビートルズ(The Beatles)の名曲『Blackbird』のモチーフになったことでも有名で、実際の楽曲内にはクロウタドリのみずみずしいさえずりが背景音として収録されています。また、かつては深い森に住む警戒心の強い鳥でしたが、ここ200年ほどの間に急速に都市の環境に適応し、現在では人間の生活圏をまったく恐れず、都会の喧騒の中で美しい歌声を響かせる「都会派の野鳥」としての地位を確立しています。

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