ヤツガシラ

ヤツガシラの写真 旅鳥

■基本情報

・和名:ヤツガシラ(戴勝)
・英名:Eurasian Hoopoe / Hoopoe
・学名:Upupa epops
・分類(科目):サイチョウ目ヤツガシラ科

■形態的特徴

・色や大きさ:全長は約26cm〜28cmで、ハトと同じくらいの大きさです。頭部から胸、お腹にかけては美しい淡いオレンジ色(橙褐色)をしており、翼と尾羽には黒と白の鮮烈な縞模様(斑紋)がびっしりと入っています。
・鳴き声:繁殖期や移動の際に「フープープー」あるいは「プププ、プププ」と、少しこもったような低い声で優しく繰り返し鳴きます。この鳴き声の響きが英名の「Hoopoe」の由来になっています。
・その他の特徴:最大の特徴は、頭頂部にある扇状の大きな「冠羽(かんうぃ)」です。普段は後ろに寝かせていますが、興奮したときや着地の瞬間にはピンと扇形に大きく広げます。この冠羽の羽先が黒くなっており、名前の「ヤツガシラ(八頭)」の由来にもなっています。嘴(くちばし)は黒くて細長く、下方に緩やかに湾曲しています。

■分布地域(日本・海外)

・日本:数少ない「旅鳥」または「冬鳥」として、春(3月〜5月頃)と秋に主に西日本や南西諸島、日本海側の島々(舳倉島や対馬など)に飛来します。定期的な渡りのルートからは外れがちで個体数は少ないですが、近年は平地の公園や畑などに突如現れて話題になることが多いです。長野県など一部の地域でごく稀に繁殖の記録があります。
・海外:ユーラシア大陸の中部・南部(ヨーロッパ南部からアジア、中国、朝鮮半島など)やアフリカ大陸に極めて広範囲に広く分布しています。

■生態・行動

農耕地、畑、果樹園、草原、短く刈り込まれた芝生のある大きな公園など、明るく開けた環境を好みます。地上性が非常に強く、地面をせわしなく歩き回りながら採食します。長いくちばしをピンセットのように土や芝生の隙間に深く差し込み、地中に潜むケラや幼虫、ミミズ、甲殻類などの虫を巧みに引っ張り出して捕食します。飛行時は、大きな翼をパタパタと蝶のように不規則にひらひらと羽ばたかせて波型に飛ぶ独特のスタイルを持っています。

■その他の特筆すべき特徴

そのあまりにもエキゾチックでユニークな姿(パンクスピリットを感じさせる冠羽とシマウマのような翼の模様)から、日本のバードウォッチャーやカメラマンの間で「見つけたら大ニュースになる憧れの珍鳥」として絶大な人気を誇る野鳥です。海外の繁殖地では、樹洞や石垣の隙間、建物の穴などに営巣します。雛や抱卵中のメスは、尾の付け根にある分泌腺から強烈な悪臭を放つ液体を分泌し、巣に近づくテンやヘビなどの外敵を撃退するという非常にユニークな自衛手段を持っています。

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