■基本情報
・和名:ノドグロモズガラス(喉黒百舌烏、別名:ノドクロモズガラス)
・英名:Pied Butcherbird / Black-throated Butcherbird
・学名:Cracticus nigrogularis
・分類(科目):スズメ目モリツバメ科(モズガラス科)
■形態的特徴
・色や大きさ:全長は約28cm〜32cmで、日本のモズやカラスよりもムクドリを一回り大きくしたような中型の鳥です。成鳥は頭部、喉から胸、背中、尾羽が艶のある真っ黒な羽毛に覆われており、首の後ろ(後頭部)、お腹、翼の大部分が鮮やかな純白色をしています。この黒と白の極めて鮮烈なコントラストが特徴です。幼鳥(若鳥)は黒色の部分がすべて地味な褐色(茶色)をしています。
・鳴き声:鳥類の中でもトップクラスに美しい声(美声)の持ち主として有名です。まるでフルートやオルガンのように深く、澄んだ音色で「ピロリロ、ピューイ」と、複雑で豊かな旋律のさえずりを響かせます。
・その他の特徴:嘴(くちばし)は灰色で太くまっすぐ伸びており、先端が下向きに鋭く尖った「鉤(かぎ)状」をしています。この鋭いくちばしが猛禽類のような高い狩猟能力を支えています。
■分布地域(日本・海外)
・日本:本来の分布域ではないため基本的には生息していません。オーストラリアの固有種ですが、ごく稀に飼育個体が脱走した「籠抜け(かごぬけ)」や、外国からの貨物船・コンテナ船に紛れ込んで日本国内の沿岸部の公園などに突如として出現し、バードウォッチャーの間で大きな話題になることがあります。
・海外:オーストラリアの大陸全土(極端に乾燥した砂漠地域を除く広範な地域)に留鳥として広く定着しています。
■生態・行動
・生息環境と食性:開けた森林、サバンナ、耕作地、牧草地のほか、オーストラリア現地では都会の住宅街や公園の生け垣などにも普通に暮らしています。肉食性の強い雑食性で、主にトカゲやヘビなどの爬虫類、カエル、大型の昆虫類(セミやバッタ)、ネズミなどの小哺乳類、さらには他の小鳥やその雛、卵などを捕食します。
・モズのような習性:英名の「Butcherbird(肉屋の鳥)」が示す通り、捕らえた獲物を木の枝の二叉(また)に挟み込んだり、鋭いトゲに突き刺したりして固定し、小さく引きちぎって食べるという、日本のモズの「はやにえ」にそっくりな習性を持っています。
・社会性:強い縄張り意識を持っており、木のてっぺんや電柱の先など、視界の開けた高い場所を好んで陣取ります。
■その他の特筆すべき特徴
名前に「モズ」と「カラス」の両方が入っている通り、モズのように尖ったくちばしで獲物を生け贄(はやにえ)にする獰猛な生態を持ちながら、カラス(あるいはカササギ)のようなスマートな白黒の風貌と高い知能を併せ持っています。現地では人間に対する警戒心が非常に薄く、おねだりをしてピクニック中の人間から食べ物を直接受け取るほど人懐っこい一面も見せます。繁殖の際は、樹木の高い枝の上に枯れ枝を器用に組み合わせてお椀型の頑丈な巣を作ります。




