■基本情報
- 和名:クロサギ(黒鷺)
- 英名:Pacific Reef Heron / Eastern Reef Heron
- 学名:Egretta sacra
- 分類(科目):ペリカン目 サギ科 コサギ属
■形態的特徴
- 色や大きさ
- 大きさ:全長約 58〜66 cm。コサギ(約 60 cm)と同等の中型のサギです。
- 色(二つの型):全身が煤けた黒色(黒灰色)の「黒色型」と、全身が純白の「白色型」の2つの色彩変化が存在します。
- その他の配色:足は黄緑色〜緑褐色をしていますが、足の裏(趾の裏)や足全体が黄色味を帯びています。嘴(くちばし)は太く長く、黒褐色から黄褐色をしています。
- 鳴き声
- 飛び立つ時などに、「グワァー」「ガァー」「グァッ」といった、カラスに似た低く濁った、しゃがれた声で鳴きます。
- その他の特徴
- コサギやダイサギなどの他のサギ類に比べて足が肉厚で短く、ややずんぐりとした体型に見えます。また、後頭部には短い冠羽(飾り羽)があります。
■分布地域(日本)
- 本州、四国、九州、沖縄(南西諸島)にかけて、主に沿岸部に留鳥(または漂鳥)として一年中生息しています。
- 北海道では極めて稀な迷鳥として記録される程度です。
- 地域によって色の出現比率が異なり、本州や九州では「黒色型」が圧倒的多数ですが、南西諸島(奄美大島以南)へ行くほど「白色型」の割合が高くなるという地理的特徴があります。
■生態・行動
- 生息環境
- 他の多くのサギ類(ダイサギ、アオサギなど)が河川、湖沼、水田などの淡水域を好むのに対し、クロサギは海岸の岩礁地帯(磯)、珊瑚礁、干潟、河口などの塩水域・汽水域を主な生活拠点とします。内陸の水田や畑で見かけることは基本的にありません。
- 採餌行動
- 岩場の陰や波打ち際に身を低くかがめ、じっと待ち伏せて魚類、カニなどの甲殻類、貝類などを捕食します。
- 社会性
- 大規模な群れ(コロニー)を作らず、基本的には単独またはペアで行動します。縄張り意識が強く、他のサギ類を攻撃して追い払うこともあります。
- 繁殖
- 海岸の断崖にある岩の隙間や、人が近づかない海岸近くの樹木などに小枝を組んで巣を作ります。
■その他の特筆すべき特徴
- 白色型と「シラサギ」の見分け方
- 南西諸島に多い「白色型」のクロサギは、見た目がコサギなどの白いサギ(シラサギ類)に非常に酷似しています。しかし、クロサギは足ががっちりと太くて短い点、嘴が太くがっしりしている点、そして何より「海岸のゴツゴツした岩場」に好んでいる点で見分けることができます。
- 低空を滑るような飛翔
- 飛行する際は、海面のすぐ上(波間)をなぞるように低空を直線的に滑空することが多く、この独特の飛び方もフィールドでの識別ポイントになります。
- 環境変化への影響
- 海岸線の開発や磯釣りのレジャー人口増加により、営巣地となる静かな岩場が減少しており、多くの都道府県のレッドデータブックで絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されています。



