■ 基本情報
- 和名(漢字表記): 三光鳥(サンコウチョウ)
- 英名: Japanese Paradise Flycatcher
- 学名: Terpsiphone atrocaudata
- 分類:
- 目: スズメ目(Passeriformes)
- 科: カササギヒタキ科(Monarchidae)
■ 名前の由来
「三光鳥」は、オスのさえずりが「ツキ(月)・ヒ(日)・ホシ(星)・ホイホイホイ」と聞こえることから、「月・日・星=三光」にちなんで名付けられました。
■ 形態的特徴
- オス:
- 頭部と背中が青黒く光沢があり、目の周りの「アイリング」が鮮やかな青。
- 特徴的なのは非常に長い尾羽(30cm以上になることも)。
- メス:
- 全体に茶色っぽい羽毛で、尾は短く、アイリングも地味。
- 体長(尾を含まず): 約20cm。尾を含めるとオスは45cm近くになる。
■ 分布地域(日本)
- 夏鳥として: 九州以北の本州、四国、九州の広範囲に渡って繁殖。
- 渡り鳥: 冬はフィリピンなど東南アジアへ移動。
- 生息環境: 山地や低山の落葉広葉樹林や混交林を好む。
■ 生態・行動
- 食性: 昆虫食。空中で飛びながら虫を捕らえるフライキャッチャー(flycatcher)。
- 繁殖期: 5~7月頃。木の枝にコップ状の巣を作り、2~5個の卵を産む。
- 鳴き声: 「ツキ・ヒ・ホシ、ホイホイホイ」と特徴的で覚えやすい。
■ その他の特徴
- 非常に美しい姿で、特にオスの長い尾と鳴き声が人気。
- 警戒心が強く、鳴き声は聞こえても姿が見えないことも多い。
- 日本固有種ではないが、日本で繁殖する個体群は特に貴重で、**絶滅危惧種(環境省レッドリスト:絶滅危惧II類)**に指定されている。