ハチクマ

山野の鳥

漢字名: 蜂角、蜂熊(ハチクマ)

  • その名の通り、ミツバチやスズメバチの巣を襲って食べる習性に由来しています。

英語名: Oriental Honey Buzzard

科目:

  • 目: タカ目 (Accipitriformes)
  • 科: タカ科 (Accipitridae)
  • 属: ハチクマ属 (Pernis)
  • 猛禽類ですが、食性が特殊であるため、他のタカ類とは異なるハチクマ属に分類されています。

生態:

  • ミツバチやスズメバチの幼虫、蛹、蜜、さらには働き蜂などを主な食料とします。巣を掘り出して食べるために、足や顔には蜂の毒から身を守るための特殊な鱗状の羽毛が生えています。
  • 繁殖期はユーラシア大陸東部(ロシア、中国北東部、サハリンなど)で過ごし、冬はインドや東南アジアへ渡り越冬します。
  • 日本には夏鳥として渡来し、主に本州以南の九州までの各地で繁殖します。
  • 森林に生息し、樹上に巣を作ります。
  • 渡りの時期には大きな群れを形成し、猛禽類の渡りの観察地で多くの個体が見られます。

形態の特徴:

  • 大きさ: 全長は約55〜65cm、翼を広げると約130〜150cmと、中型のタカ類です。オオタカやサシバに近い大きさです。
  • 性的二形: 雌雄で羽色に若干の違いがありますが、個体差も大きく識別は難しいことが多いです。
    • : 頭部が比較的灰色がかって見えます。
    • : 頭部が褐色がかって見えます。
  • 羽色: 個体変異が非常に大きく、淡色型から暗色型まで様々です。
    • 一般的には、体上面は暗褐色で、下面は淡色で褐色の横斑や縦斑があります。
    • 翼の下面には、初列風切の基部に黒い帯状の模様(カーパルパッチ)が目立つことがあります。また、翼の下面の風切羽に黒い帯模様(バー)が数本入るのが特徴です。
    • 尾羽には、基部近くに太い黒い帯と、中央に細い黒い帯が入るのが特徴的です。
  • 頭部: 相対的に小さく、首が長く見えます。
  • : 比較的小さく、細めです。
  • : 比較的長く、全体的に鱗状の羽毛で覆われており、蜂の攻撃から身を守る適応と考えられています。

日本での分布:

  • 夏鳥として、本州、四国、九州などの広い範囲で渡来し、繁殖します。
  • 特に、北海道や東北地方でも繁殖が確認されています。
  • 渡りの時期には、愛知県の伊良湖岬や鹿児島県の佐多岬など、渡りの集中地で多数観察されます。
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