リュウキュウサンショウクイ

山野の鳥

■基本情報

・和名:リュウキュウサンショウクイ(琉球山椒食)
・英名:Ryukyu Minivet
・学名:Pericrocotus teguima
・分類(科目):スズメ目サンショウクイ科

■形態的特徴

・色や大きさ:全長は約20cmで、サンショウクイ(亜種サンショウクイ)とほぼ同じ大きさです。尾羽が長いため、全体的にほっそりとしたスマートな体型をしています。
・サンショウクイとの違い:亜種サンショウクイに比べて全体的に羽色が濃いのが特徴です。背中から翼、尾羽にかけての上面が濃い「暗灰色(ほぼ黒色に近いネズミ色)」をしており、胸からお腹にかけての下面も濁った灰色を帯びています。また、オスは額の白い部分が狭く、頭部全体が黒く見えます。
・鳴き声:飛行中や移動中によく「ピリリリ、ピリリリ」あるいは「ヒリリン、ヒリリン」と、高く澄んだ特徴的な声で鳴き交わします。サンショウクイとほぼ同様の声質です。

■分布地域(日本・海外)

・日本:日本固有種(亜種としては固有亜種)です。もともとは南西諸島(沖縄や奄美大島など)や九州南部にのみ生息する「留鳥」でしたが、1990年代以降、温暖化や環境変化の影響により急速に分布域を北上させています。現在では九州全域、四国、中国地方、近畿、東海、関東地方、さらには東北地方南部にまで生息地を広げ、各地で一年中見られる留鳥として定着しています。
・海外:日本固有の種類であるため、海外には野生個体は分布していません。

■生態・行動

平地から低山の常緑広葉樹林、針葉樹林、里山の二次林、さらには大きな樹木のある都会の公園や社寺林などに生息します。基本的には樹上性が極めて強く、高木の梢(高い枝先)を主な生活圏としており、地上に降りることは滅多にありません。食性は動物食で、樹上の枝先をせわしなく飛び回りながら、昆虫類やその幼虫、クモ類を捕食します。枝先にいる獲物をホバリング(空中停止飛行)しながらついばんだり、飛んでいる虫をフライングキャッチしたりします。非繁殖期である秋から冬にかけては、数十羽に及ぶまとまった群れを形成して行動することが多いです。

■その他の特筆すべき特徴

地球温暖化や環境変化に伴う「野生動物の急速な分布拡大(北上)」を証明する代表的な野鳥として、近年、鳥類学者やバードウォッチャーの間で非常に注目されている鳥です。かつて本州では見られない珍しい南国の鳥でしたが、今では関東や近畿の住宅街に近い雑木林でも、冬場に「ピリリ、ピリリ」と鳴きながら群れで飛び回る姿が普通に観察できるようになりました。繁殖の際は、高木の横枝の又に、枯れ葉や細い枝をクモの糸で精巧に編み込んで皿状の巣を作り、巣の外側にはウメノキゴケなどをびっしりと貼り付けて「木のこぶ」にそっくりに見せる完璧なカモフラージュ(擬態)を施します。

2025年11月 滋賀県大津市にて撮影。
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