滋賀県長浜市余呉町に位置する菅山寺(かんざんじ)は、歴史ある古刹でありながら、豊かな自然環境に恵まれた野鳥観察の名所としても知られています。特に初夏から秋にかけて、多種多様な野鳥が観察できるため、バードウォッチャーにとって魅力的なスポットです。以下に、菅山寺の概要、季節ごとの野鳥情報、アクセス方法をまとめました。
1. 菅山寺の概要
菅山寺は、奈良時代に照檀上人が開山し、平安時代には菅原道真公が復興したと伝えられる真言宗豊山派の古刹です。かつては3院49坊を有する大寺院として栄えましたが、現在は無住となっています。境内には、道真公お手植えとされる樹齢1000年のケヤキや、鎌倉時代の銅鐘(国の重要文化財)などが残されており、歴史的価値の高い文化財が点在しています。また、周囲にはブナ原生林や朱雀池など、自然豊かな環境が広がっています。
2. 季節ごとに見られる野鳥の種類
菅山寺周辺では、年間を通じて多くの野鳥が観察されています。特に初夏から秋にかけては、以下のような野鳥が見られます。特に、初夏にやってくる関西では希少なアカショウビンの撮影スポットとして有名です。菅山寺の近くにある朱雀池での探鳥が基本です。

- キビタキ(Narcissus Flycatcher)
- オオルリ(Blue-and-white Flycatcher)
- クロツグミ(Japanese Thrush)
- サンコウチョウ(Black Paradise Flycatcher)
- アカショウビン(Ruddy Kingfisher)
- サンショウクイ(Ashy Minivet)
- ツツドリ(Oriental Cuckoo)
- ホトトギス(Lesser Cuckoo)
- メボソムシクイ(Eastern Crowned Warbler)
- アオゲラ(Japanese Green Woodpecker)
- コゲラ(Japanese Pygmy Woodpecker)
- ヤマガラ(Varied Tit)
- シジュウカラ(Japanese Tit)
- ヒヨドリ(Brown-eared Bulbul)
- ウグイス(Japanese Bush Warbler)
- イカル(Japanese Grosbeak)
- ホオジロ(Meadow Bunting)
- キバシリ(Treecreeper)
また、春の渡りの時期には、上空を飛ぶサシバ(Grey-faced Buzzard)やクマタカ(Mountain Hawk-Eagle)などの猛禽類も観察されることがあります。
3. アクセス方法
公共交通機関を利用する場合
- JR木ノ本駅から余呉バスに乗車し、「坂口」バス停で下車。そこから徒歩約90分で菅山寺に到着します。
- JR木ノ本駅から余呉バスに乗車し、「ウッディパル余呉」バス停で下車。そこから林道を徒歩約30分で菅山寺に到着します。
自家用車を利用する場合
- 北陸自動車道 木之本ICから国道365号線を北上し、余呉支所交差点を右折。ウッディパル余呉を経由して赤子山林道を進み、林道終点の駐車場に車を停めます。そこから徒歩約800m(約20分)で菅山寺に到着します。駐車場から菅山寺までは急こう配の下り坂が続きます。逆に帰りは上り坂ですので、カメラを抱えて歩くのは結構大変ですよ!

注意事項:
- 林道は道幅が狭く、対向車とのすれ違いが難しい箇所があります。運転には十分注意してください。
- 冬季は積雪のため林道が閉鎖されることがあります。事前に道路情報を確認してください。
- 山道を歩くため、軽登山靴などの装備を推奨します。
菅山寺は、歴史的な建造物と豊かな自然が調和した、心癒される場所です。特に野鳥観察を目的とする方には、四季折々の鳥たちとの出会いが待っています。訪れる際は、自然環境への配慮を忘れず、静かな時間をお楽しみください。